雲ケ畑のお話
雲ケ畑は、京都市の中心部から鴨川をさかのぼること15キロにある山間集落・林業の里です。
鴨川の源流、はじまりの場所があります。ここには地質の特異さから、他の地域では絶滅してしまった種類の植物がひっそりと生育しています。
雲ケ畑、足谷と呼ばれる地域には特に絶滅に瀕した植物が多くあり、その自然を保護するための「雲ケ畑・足谷 人と自然の会」というボランティア団体があります。
「雲ケ畑に行けば、そこにしか咲かない花を見られるよ」その言葉を友だちから聞いた時から、私は雲ケ畑の大ファンになりました。
雲ケ畑でしか見られない花、それが現在私が作品のテーマとして描き続けている「ベニバナヤマシャクヤク」です。この花は京都府の絶滅寸前種に指定されている植物です。
雲ケ畑には他にもたくさんの種類の希少植物が自生しています。それらの保護や周知のための活動をしているのが「雲ケ畑・足谷 人と自然の会(通称 足谷の会)」です。私もすぐに会員になり、いろいろな活動に参加しています。
一般の方への観察会の実施やシカ食害から保護するためのネット張り、下草刈り、観察道の整備、数の調査、等々、仕事は多岐に渡ります。
重労働になることも多いのですが、会員の皆さんは自然が好き、この雲ケ畑の環境を大事にしていきたい思いひとつで活動されています。私はものすごく心をうたれ、少しでもお手伝いしたいので活動に参加しています。会員の皆さんはとても優しく楽しい人たちばかりでこれらの活動はすごく楽しいのです!雲ケ畑に行くと心が晴れ晴れとして充実して帰ってこられます。
雲ケ畑では志明院というお寺との出会いもありました。ここは鴨川の最初の一滴が落ちてくるという岩盤のあるお寺です。そして、歌舞伎十八番「鳴神」の舞台となった場所です。
「鳴神」のお話しを聞いたとき、私の中で「ベニバナヤマシャクヤク」と突然ぴったりと合わさったのです!何がどんな風に合わさったのかはここでは長くなりすぎますので書きません。
とにかく雲ケ畑は私に作品をつくり続ける原動力を与えてくれる場所です。
雲ケ畑と、足谷の会、ベニバナヤマシャクヤク。私がとても愛しているものです。